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できちゃった婚や訳あり結婚式の物語

みんなから祝福される結婚式をずっと夢見ていたカップル達のデキ婚や訳あり結婚式物語です。

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2年交際した彼女と結婚が決まり、僕たちが将来について話していたある日、
彼女が泣きついて来ました。
父親が癌と宣告され、余命3ヶ月と言われたそうです。

彼女は1人娘で、母親は既に他界しており、父1人娘1人の家庭でした。
「お父さんにウェディングドレス姿を見せてあげたい。」
そう言って彼女は泣きました。

僕も彼女にとって、どれだけ父親が大切か知っていましたから、
彼女の晴れ姿を、彼女の父親も見たいだろうと考えると、
どうしても見せてやりたいと思いました。

彼女と直ぐに式場を決め、親戚だけででも急ぎ式を挙げる事にしましたが、
僕の出身は北海道であり、僕の親戚が当日集まる都合が付きませんでした。
僕は両親に
「絶対にその日に式を挙げるよ。延期はしないから。」
と言うと、出席出来ない両親は、案の定反対しました。

長男の僕の両親が出席したいのは当然でしたが、
僕は彼女のたった1人の家族であるお義父さんの為、
式の延期を断固拒否しました。

式は小さな教会でしましたが、
出席者は僕の友人と彼女の親戚の、
10人程の小規模な、慎ましやかな式となりました。
しかし彼女とお義父さんの、幸せそうな姿を見れたから、
とても満足しています。

式の1ヶ月後、僕の親戚と彼女の親戚を集め、食事会をしました。
僕の両親は、僕が勝手に式を挙げた事を、
最初は怒っていましたが、後から理解をしてくれて、
食事会は楽しい時間を過ごす事が出来ました。

お義父さんも
「生きていて良かったよ。私は幸せ者だ。」
と言ってくれ、
彼女がしたかったであろう親孝行の助けが出来た事を、嬉しく思います。

あの時の決断は、確かに僕の両親には寂しい思いをさせたかもしれませんが、
急ぐべきだったんだと後悔はしていません。

何より、その決断を1番喜んでくれたのは、最愛の妻なのですから。
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